「賢者の会」の前に、寺田真理子さんのトークイベント!

6月25日は、麻布十番にて、
「第52回・賢者の会」を
開催します!
『可能性を広げる「読書法」』
ということで、
翻訳家であり、読書療法学会会長の
寺田真理子さんが、
今回のゲスト講師ですね。
https://www.facebook.com/events/263032740839034

本日はその寺田真理子さんの
トークイベントが、
渋谷の大盛堂書店さんで開催されました。
ケイト・スアファーさんの
認知症を残り越えて生きる』という
本に関してです。

お隣は進行役の「本のソムリエ」、
団長さんですね。

寺田さんは、
ご自身が読書によって心の病気を
乗り越えた……という経験の持ち主です。

そんなことから、
読書をもっと広く
心の問題を解決する方法にしようと、
「読書療法学会」を立ち上げました。

その流れで、最近は認知症の
「パーソンセンタードケア」に
かかわっているのですが、
この「認知症」もやはり「心の問題」。
必ずしも高齢化の問題ではありません。

現にこの本の著者である
ケイト・スアワファーさんは、
49歳という年齢で
認知症を宣告されているわけです。

過去を忘れてしまうという障害、
それはつまり
「人生が失われていく」ということですが、
彼女はそんな状況と闘い続けています。

その方法がやはり
「書くこと」であり、
「読むこと」であったわけです。

忘却量を凌駕する知識を本で仕入れ、
ブログで文章を書き、
詩人となり、作家となり、
世界中のたくさんの人に
勇気を与え続けています。

これもやはり「読書」の可能性でしょう。

「言葉は他者が
私たちをどう見るかを定義する」
「言葉は私たちが
自分たちをどう見るかを定義する」

非常に深いことを言っていますが、
寺田さんが強調して訳した
ケイト・スワファーさんの言葉。

おそらく「読書」は、
自分づくりのための1つの方法なのだと
思います。

明日はどんな話が聞けるのか?
「賢者の会」はドタ参加大歓迎ですので、
興味ある方はぜひ
のぞいてみてください!





[賢者の会・賢者のビジネス研究所]

橋本左内に会いに行こう

本日は金沢の話の続きですが、
今回は帰り際、富山方向へは戻らず、
福井のほうに遠回りして帰ってきました。

理由はどうしても行きたかった場所に
おもむくため。
現代語訳させていただいた
啓発録』の著者。
橋本左内さんが眠る、
「左内公園」です。

あまり観光客は訪ねない、この場所。
でも感動したのは、
意外に明るい場所であったこと。
福井城からそう遠くなく、
小さな公園ではありますが、
ちゃんと駐車場もありました。
何よりキレイでしたね。

「幼心は捨ててしまおう」と言った
左内さんが、
いまは子どもたちの遊具と一緒にいる
……のも不思議ですが、
大きな銅像と
立派な『啓発録』の碑の向こうに
静かに隔離されている墓所。

この町で左内さんは、
愛されているんだな……と、
深く感動しました。

左内さんが処刑されたのは、26歳。
いったんは江戸に埋葬されますが、
その後、墓所は福井のお寺に移されました。

お寺がなくなっても、墓だけはそのまま、
公園として整備されたわけです。

碑にあるのは『啓発録』の各章。
 1.子どもじみた甘えは捨ててしまおう
 2.気力を思いっきり奮い立たせよう
 3.大きな志を計画しよう
 4.生涯、学びに努めよう
 5.付き合うべき友を選択しよう

これらは、いまの私たちにも
そのまま実践できる心。
というか、重んじなければいけない
指針のようなものです。

「今の世はあまりにも覚悟のない者に、
高い禄や重い地位を与え続けている。
そうでありながら、
この日本は平和で安楽な世の中が続いてきた。
つくづく私たちは、
過去のリーダーたちに感謝しなければならないだろう」

「大きな恩を受けながら、覚悟のない武士ばかり。
本来であれば、床に入っても眠ることができず、
食物を食べても
喉を通らないはずの事態であるはずだ」

なんだか現代に
そのまま当てはまるようなメッセージですが、
10代で『啓発録』を書き、
「君は何のために生まれたのだ?」
「やるべきことを本当にやっているのか?」
と、武士たちに問い続けた左内さん。

その生涯は短かったのですが、
吉田松陰さんや西郷隆盛さんなど、
時代を変えた人々に大きな影響を与えました。

私もここにはじめて来て、
「ちゃんとしなきゃな!」と
心を奮い立たせられました。

訳させたいただいた人間の1人として、
それに恥じぬよう、
これからの仕事を続けていきます!





[夏川賀央の「古典学のススメ」]

「治部煮」の仕事術

19日には、法事で金沢に行っていた
……という話をしました。

今回は親戚のいる富山でなく、
お墓のある金沢に泊まることができたので
久しぶりにいただくことができました。

金沢のお寿司、
そして結構、好きなんです。
こちらの郷土料理、
「治部煮」(じぶに)ですね。

東京ではあまり食べられません。
とろみのある独特な煮物です。

でも「治部」って何だ?

歴史好きの人は、すぐ思い出すのが、
あの石田三成の役職でしょう。

じつは私が以前に読んだのは、
三成さんが加賀の前田家に来たとき
地元の郷土料理で接待を受けて、
すっかりこの味が気に入ってしまった
……というものです。
それで、
「治部煮」と呼ばれるようになった……と。

ところがこの「治部煮」の起源。
調べると、ものすごくたくさんあるんです。

やはり石田三成が考案した
……という話もあるし、
彼とはまったく関係ない。
岡部治部右衛門なる人物がつくった
という説もある。

「じぶじぶ煮る」から「じぶ煮」だ
……という説もあるし、
はては鴨を使うので
「ジビエ料理」からとられた
……なんていう説まであります。

地元の庶民が
野性の鳥を焼いて食べていたのが
起源とも言われれば、
高山左近が伝えた西洋料理が
発端だったという説もある。

どうもその起源も由来も
よくわかっていないのが、
実際のようですね。
かなり謎の料理だったんです!

実際、金沢に行って「治部煮」を頼むと、
お店によって少し入っているものも、
味も違っていたりします。

固定した郷土料理というより、
むしろB級グルメに近いものも
感じてしまいますが、
こうした千差万別さこそ
金沢の魅力なのかもしれません。

お寿司もやっぱり
こちらは美味しいですねえ〜。



[仕事ができる人の歴史入門]
夏川の「日本史」入門はこちら

「賢者の会」から新しい「読書の会」が生まれます!

画像は、久しぶり!
……という方も多いでしょう。

のび太でも売れます。』(水王舎)の
酒井晃士さん。
今回は私の
時間を使う人、時間に使われる人』と
マキャベリ「君主論」
を持っていただきました。

すでに告知している通り、
6月25日に開催する
「第52回・賢者の会」。
https://www.facebook.com/events/263032740839034/

メーンの寺田真理子さんの講義のあと、
30分のミニセミナーを担当するのは
酒井さん。
テーマはこれから始まる
新しい「読書会」についてです。

今日は東京ミッドタウンにて、
その読書会の内容と、
ミニセミナーの内容について
打ち合わせる時間を持たせていただきました。
デザイナーのWatanabeと
3人での会議になりました!

考えてみれば、
「読書」という習慣は、いまの日本では
だんだんと死語にすらなりそうに
なっています。

でも、
「時間があれば本を読みたい」
「読まなきゃ」と考えている人は多い。
そういう人に、
機会を与えることはできないか?

でも、そもそも「読書」というのは、
1人でめいめいに好きなものや
役に立つものを読むから
意味のあるもの。
それを会にして、どうしようというのか?

著者である私としては
何より本の告知ができ、
それを皆が紹介して、
「この本は面白いよ!と
評判を拡散してくれるようなことが起これば
とても嬉しい。

同じことを考える著者の方、
あるいは版元側の方は多いでしょう。

「本を読むためにつくる時間」が、
他の時間を犠牲にするものになっては
仕方がない。
また集客できる人数で、
結果が決まるような会にしたくない……。

すでにいろんな形の読書会を試し、
チャレンジを続けてきている酒井さん。
考えてみれば私との出会いも、
『武士道』を紹介していただいた
読書会からでした。

ともあれ、
できることから始めよう……と。
なんとなくのアイデアは整いました。

おそらくは誰でもが気軽に
思い思いのやり方で参加でき、
自分が好きな本を読み、
また著者にとっても宣伝効果がある
SNS時代に相応しい会になるのでは?

詳細は25日に紹介しますので、
楽しみにしてください!



[賢者の会・賢者のビジネス研究所]

ついに発売!夏川訳「君主論」3〜マキャベリとチェーザレ

金沢での法事から帰った夏川ですが、
またその話は後日にすることにしましょう。

今日は3回にわたって紹介する
……と述べた、新刊案内の続きです。
マキャベリの「君主論」
(ウェッジ刊、本体1300円)ですね。

前回では、
「マキャベリがなぜ本書を書いたか」を
述べさせていただきました。
では、その『君主論』の内容とは、
一体どういうものなのか?

本書を象徴するのは、こんな記述でしょう。
「リーダーはライオンの強さと、
狐の狡猾さを持ちなさい」

本書にあるのは、
人に好かれ、
信頼される方法だけではありません。

欲望をくすぐり、
冷酷さと恐怖をもって人を動かす方法。
策略をめぐらし方や、人の本質を見抜く方法。
ときにはプライドをかなぐり捨て、
最優先で目的を達成する方法
……と。
過去の偉大な君主の事例を引き、
本書で紹介されるハウツーには、
相当にエグいものまで含まれているんです。

だから私は序文で述べています。

「現代のビジネス書や自己啓発書に慣れた読者は、
まるで思いっきり頭を
ゲンコツで殴られたような衝撃を
本書から受けることだろう」

そんなマキャベリには、
理想とする「君主」がいました。
彼より6歳年下だった人物。
しかし外交官としてその人物に出会い、
強烈な影響を受けます。

それがチェーザレ・ボルジア。
左に示した『モーニング』連載の
マンガでお馴染みの方も多いでしょう。
実物も相当なイケメンだったようです。
教皇の息子であり、
スペインのヴァレンシアを領土としていたため、
「ヴァレンティーノ公」と呼ばれました。

チェーザレについては
『君主論』で詳しく語られています。
簡単に言ってしまえば、
日本における
「織田信長」のような人物でしょう。

おそらくは誰も考えなかった
「イタリア統一」を念頭に起き、
イタリア北東部を完全に支配しました。

しかしその生涯は31年。
なんせ教皇の息子として生まれた彼は、
自軍を持てなかったため、
傭兵を活用するとともに
スペインやフランスの軍を利用することで
この偉業をやり遂げたんですね。

そのかたわら富国強兵にも努めたのですが、
なんせその当時20代です。
父親の死に加え、
自身が伝染病で生死の境にあったとき、
大きな陰謀に巻き込まれてしまいました。

「ある人物が神によって
差し向けられたかと思うこともあったのですが、
結局はそのキャリアの頂点にあって、
運命は彼を拒んだのです。
だからイタリアはまだ、
半死のような状態になりながらも、
その傷を癒し、他国の略奪を終わらせてくれるような
君主の到来を待ち続けています」

これは『君主論』のマキャベリの言葉。

マキャベリのみなならず、
かのレオナルド・ダ・ヴィンチも惚れ込み、
軍事顧問になったチェーザレさん。
しかし歴史は彼に
「大犯罪者」のレッテルを貼りました。

この「君主論」には、
「彼の汚名を晴らしたい」とする
マキャベリさんの願いもあったんです。



[新刊案内]