初代知事にならなかった「16代将軍」

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現在の東京では、周知のように
都知事選が行なわれています。

といってそれほど
盛り上がっているわけではありませんが、
この「知事」になった最初の人が誰か
ご存じでしょうか?

いまの「東京都」が出来上がったのは
戦後のこと。
「都知事」としては、
1947年に就任した安井誠一郎さんが
初代になります。

その前はといえば、江戸が東京に改められ、
「東京市」が置かれて以後、
1898年から政府が選出する「東京市長」が
東京のトップに立っていました。

その初代は松田秀雄さん、
という方でしたが、
じつは「最有力」とされながら、
このとき選出を辞退した政治家がいます。

それが徳川の「16代目」と言われた
徳川家達(いえさと)さん、
という方だったんです。

徳川って15代の慶喜で終わったのでは?

将軍としてはそうだったのですが、
家達さんは、13代目将軍の家定や
14代目・家茂とつながりを持つ
れっきとしたサラブレット。

明治になって一応は
「貴族院」の資格を持ったのですが、
家達さんはその地位に甘んじません。

自助論』の翻訳で知られる
中村正直さんに師事し。
東京を基盤とした政治家として
活躍したんです。
将軍家の名誉回復に努めた勝海舟さんも、
この方のことを
ずいぶん評価していたようですね。

1922年のワシントン軍縮会議や、
幻に終わった1940年の
東京オリンピック招致でも、
家達さんは中心になります。

「16代目」と呼ばれ、
庶民にも人気のあった家達さんでしたが、
なぜ知事の職は断ったのか?

じつはこの方、いまでいうLGBT。
同性愛者としても
皆に認知されていたとのこと。
スキャンダルも結構あったとか。

そのうえで「徳川家」の名が大々的に出ることを、
当人が非常に嫌っていたそうです。
知事にでもなったら、また東京=江戸を
また徳川家が支配するように
見られてしまう。

近代日本のためには
「そうなるべきではない」と判断したんですね。

そんな人々の努力で、現在も繁栄している
「東京」という町。
誰が知事になってもいいから、
コロナの拡大だけは何とかしてほしい。
今のままでは、
なんかイベント企画も再開しづらいなあ……。



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