大人になるってどういうこと?……武士の場合

こちら重版の知らせもあった
武士道』の本。
致知出版社の「日本の名著シリーズ」で
私が現代語訳したものです。

そもそも「武士道」という本は、
1900年に新渡戸稲造さんが
アメリカの出版社から出した英語の本。

当時、日本は明治の近代化を果たし、
国際的な社会に仲間入りをしたばかり。
文化的にも、経済的にも、軍事的にも
急速な勢いで、
欧米諸国に追いつこうとしていました。

そんなかで海外の人々にとっては、
この「少し前まで刀を差していた民族」の
躍進が、謎だったわけです。

そんななか新渡戸さんは、
『武士道』の本を通して
「自分たちはこういう民族なんだ」という
アイデンティティを示しました。
これが世界中の人々に絶賛されます。

ということは現代日本人にとっては、
武士の時代、
そして明治の勢いのあった時代に
「自分たちが持っていたはずのもの」を
思い返すきっかけになるわけです。

だからこそ大勢の人に読んでほしいのですが、
いちばん読んでほしいのは、
やはり若い人たちに……。

ちょうど成人式にからみ、
『武士道』では、
「武士の子どもが一人前の侍になるとき」
のことを記述しています。

つまり「元服」。
だいたいは18歳よりも前になっていました。

この「元服」で侍になった
若き武士が与えられたものは、
大きく2つです。

1つは名前、1つは刀ですね。

名前というのは、「信長」であったり
「利家」であったりという、
「諱名(いみな)」と呼ばれるもの。

夏川新九郎ガオ正……なんて人がいたとすれば、
最後の「ガオ正」の部分。

呼び名の新久郎とは違って、
気安く呼んではいけないものですが、

原則として武士はこの名前に責任を持ち、
一生をかけて価値を高めていくのが
自身の義務とされていました。

それが「名誉」という言葉の
本質なんですね。

その「名前」の価値を守るためのものが、
もう一方の「刀」。

だから自身の名誉を守るために
武士は刀を振るうし、
場合によっては自身の腹をかっ捌く
……ということも、
責任として背負ったわけです。

それくらいの名誉を、
自分に対して担うことができるか?

なかなか大変ですが、
かつての日本人が
そのように生きていたのも事実。

少しでもその強さを取り戻すために、
大切なのは「知る」ということですね。
それがいま、
『武士道』を読むことの意味だと思います!



[武士道の読み方]
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