岡倉天心さん、人生の最期にたどりついた場所

現代語訳させていただいた
明治期の世界的ベストセラー
茶の本』。

著者は、
日本美術を世界に知らしめた思想家、
岡倉天心さんですね。

新渡戸稲造さん同様、
ブログではちょくちょく
紹介していますが、
その人生の最期に住んだ場所というのが、
茨城県の、もう福島に近い海岸。
五浦(いづら)海岸
……という場所です。

「奇岩」も多い景勝地ですが、
はじめてそこに行く機会がありました。

天心さんが住んだ痕跡は、
いま「天心遺跡」として
保存されています。

そこにあるのは、
世界的著名人が
こんな場所に住んでいたんだな
……という、
本当に海岸にひっそりとある
質素な旧民家。
非常に心安らぐたたずまいです。

そしてスゴいのは、
海岸の岩の上に、
せり出すように建てられた建物。
天心さんが冥想に使った
……という
「六角堂」ですね。

画像で見るように、
荒波を見下ろす場所。
中はどうなっているかといえば、
畳が敷いてあるだけ。
つまり、
「茶室」の構造なんですね。

残念ながら中には入れませんが、
ここで静かに真っ暗な海を見ながら
天心さんは、
冥想しながら一夜を過ごしたといいます。

たぶん、ほとんど「海」と
一体化するような感覚ですよね。
恐れとか不安を超越し、
すべてが「ありのまま」という
状態だったのではないか。

六角堂には北原白秋さんなど
多くの文豪や芸術家が訪れ
思索をしたと言います。
すごい力があったんですね。

残念ながら2011年の
津波で失われましたが、
いまはこうして再建されています。

なお、この地のすぐそばに
天心さんのお墓もあり、
お参りをしてきました。

何より資料館の中をのぞけば、
本棚の片隅に緑色の本……。
私が訳した『茶の本』ではないか !!

こうして置かれているのは
嬉しく、また誇らしかったですね。

近くには有名な
「天心記念五浦美術館」
もありますので、
ぜひ機会があれば行ってみてください!







[夏川賀央の「古典学のススメ」]
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