日本にもいたストラディヴァリウス!

画像は港区の魚らん坂付近を歩いていて
見つけた石碑。

「石村近江」という人を、
記念したもの。
この奥にある大信寺というお寺に
眠っているようです。

といって、
この方を知っていたでしょうか?
私などは「誰?」……と、
思ってしまうのですが、
その分野の人から見れば、
神様のような人物。

説明には
「江戸における三味線制作の始祖」
とあります。
じつは「日本のストラディヴァリウス」と
呼ばれるくらい、
名工として知られた人。

江戸を通じて代々、
優れた三味線をつくり続け、
いまでも相当な値段がつく
「古近江」というブランドを
つくり出した人物なんですね。

近くにある説明書には、
こんなふうにあります。

「三味線はわが国の代表的な楽器として、
世界に知られています。
十三世紀ごろ中国に三絃としておこり、
琉球に伝わり、
十六世紀ごろ摂津の堺に伝来して、
京阪地方の琵琶法師に用いられていました。
その後種々の技法を採り入れた石村検校と、
それを継いだ石村近江は、
日本の三味線として、
多数の名器を相継いで世に出し、
邦楽の発展に寄与しました」

なるほど、
楽器製作の世界にのめり込み、
限りなく美しい音を追求した探究者が
日本にもいた……ということですね。

いまのバイオリンにおける
ストラディヴァリウスのように。
江戸の庶民たちは、
その音色の世界における格差を
よく認識していました。

「古近江と しらず弾いている ひんのよさ」

そんな俳句もよく語られたそうです。

いまの日本人はほとんど、
その音色を聞き分けることなど
できないかもしれません。

けれども楽器にこだわり、
美しい音を出す楽器に
大きな価値を見出す文化があったことを
忘れてはいけないですね。

私たちの国が、
誇りすべきものの1つでしょう。



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