大作家の「二足のわらじ」

写真は少し前に「縄文展」を観に行った、
上野の国立博物館。
その「平成館」の前になります。

池の前に掲げられたパネルに映っているのは、
明治の大作家の1人。
森鴎外さんですね。

どうしてここに鴎外さんが?

じつは彼は晩年、
国立博物館(当時は帝室博物館)の
総長となり、
1917年に死去するまで、
その任を務めていました。
ここには住居も構えていたそうです。

けれどもどうして作家が、
博物館の館長なんてできるのか?

別に売れる本を書いたからではありません。
彼にとって作家は「二足のわらじ」で、
本職はお医者さんだったわけです。

しかも彼は陸軍に席を置き、
医療局長になるくらいの
働きをしていました。
「博物館館長」というのは、
いわば
“天下り先”のようなものだったんですね。

ただ、作家をやりながら
軍医としても成功したくらい、
あらゆる仕事に全力投球した人です。

専門外の「博物館」という職についても、
展示を見直して、
来館者数を増やしたり。
所蔵品の管理システムを改革したり。
あげく上野公園の運営も改善したりしました。

それだけでなく、
自ら展示物の説明文なども書き直して、
わかりやすくしていた……と言うんですね。

もちろん、
一方では著作活動も続けている。
「二足のわらじ」を
見事に実現していたのですが、
単純に「できる人は何でもできる」と
いうことではありません。

多くの自分の仕事について話すとき、
「自分はこれしかできなから」なんて、
たいていは自らの
限界をもうけてしまっているわけです。

そうでなく、チャンスがあれば、
「やってみよう」と何でも挑戦してみる。

とくにサイドビジネスのニーズが
高まっている現在、
マルチキャリアがつくれるかどうかは、
「やってみる」か
どうかの問題だけだと思います。

その気になれば、
どの分野の仕事でも人は
たくさんの結果が出せるのだと、
鴎外さんは教えてくれているような
気がしますね。



[仕事ができる人の歴史入門]
夏川の「日本史」入門はこちら
コメントはありません。
| | url | | |