古典学のススメ32〜いまでも役立つ「マーフィーの法則」

古典の紹介の連載。
このところは『武士道』や『啓発録』など
自分が現代語訳した本の紹介が多かったので、
新規紹介は久々になりました。

ちょっと今日は趣向を変えて、こちら。
眠りながら巨富を得る
(三笠書房)

ご存じの方も多いでしょう。
ジョセフ・マーフィー博士の本ですね。
訳したのは大島淳一さん。
亡き渡部昇一先生のペンネームです。

ジョセフ・マーフィー博士は、
「願ったことは実現する」という
いまでいう
「引き寄せの法則」に通ずる理論を説き、
70年代に大ブームを引き起こした方。
普遍的な理論とされ、
現代でもファンの多い人です。
本書は1972年に書かれた
代表作の1つになります。

人間には願ったことを
実現させる能力がある……。

これはある程度、真実なのでしょう。
現代の脳科学は、
そのメカニズムを少しずつ解明しています。

ただ、マーフィー博士の時代は、
そうではありません。
宗教者であり心理学も勉強していた彼は、
神の力と潜在意識の力で
これを解明しようとしたわけです。

だから
「科学」と「スピリチュアル」が
混合した本になり、
どちらの側にも影響を与えました。

ただ、何よりこの方のすごいところは、
「願ったことを実現した人」の事例を、
とにかく集めまくったこと。
だからこそ大量の書籍が生まれたのですが、
本を読めば、
どこかに自分と通ずる話がある。
それが現代まで、
幅広い読者をつかんでいるんでしょうね。

本書のすごい冒頭です。

「『富む』ということは、
あなたが生まれながらにして
神から与えられた権利です。
別の言葉で言えば、
あなたがこの世に生まれてきたのは、
人生のあらゆる分野で
すばらしい生き方をして、
生命を十分に発揮するためなのだ、
ということです」

誰にでもあるけれど、
誰もが生かしていない力。
そして誰もが富を得ることができると
真っ向から説いた本。

信じる信じないはともかくとして、
何かを成し遂げたい人であれば、
一度は目を通しておきたい
自己啓発の古典ですね。



[夏川賀央の「古典学のススメ」]
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