悲劇が変えた歴史

ちょうど106年前、4月14日の夜のこと。
イギリスのサウサンプトンから、
ニューヨークに向かう豪華客船が
氷山と衝突しました。

そう、タイタニック号ですね。

映画でも有名になっている
歴史的な海難事故。
沈没したのは15日の深夜2時。
1500人以上の犠牲者を出しました。

以前にも紹介しましたが、
ここには日本人も乗船していました。
奇跡的に助かった細野正文さんという方。
明治時代の役人さんで
YMO・細野晴臣さんの祖父に当たるそうです。

じつは当時、
「日本人が、白人をおしのけて
救助船に乗った」
なんていうウワサが起こり、
彼は役職を解雇されてしまいました。

でも、このウワサ。
後に事実でなかったことが
証明されています。

ところが細野さんは、
生涯を通して誹謗中傷されたことに対し、
何の弁解もしなかったそうです。

「1人でも助けることができたのでは」
という無念が、
当人の中にあったのでしょうね。

「私は、日本人として不名誉にならないように、
平然と最後の瞬間を
迎えようと心に決めることにした。
しかし、一方では、
何とか助かる見込みを探して待っている自分もいた」
そんな言葉を遺しています。

真摯に自分を見つめ、
正直な気持ちを告白している。
その態度は立派ですよね。

それに比べて、現代の官僚は
一体何をやっているのだろう……。

世界は失敗から学ぶ。
タイタニック号の事故を通し、
じつは航海の国際ルールは
かなり修正されました。

・救命ボートの数を増やし、訓練回数を増やす
・無線機には24時間スタッフをつける
・氷山の有無をパトロール巡回する
・海事安全規則を国際的に統一する
……などなど。

真摯に非をみつめ、
同じ失敗を、二度と繰り返さないようにする姿勢。
当たり前のことなんですが、
いまの日本には
少し欠けているかもしれませんね。



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