古典学のススメ8〜ハウツー書としての「啓発録」

私が現代語訳した
橋本左内『啓発録』の読書会が、
関東で関西で、9月末から10月にかけて
開催されるようです。

9月25日には兵庫県の
井戸書店」さんで。

そして10月2日には、
アップルシード・エージェンシーさんの主宰、
安藤竜さんがナビゲーションする
古典の読書会で、この本が選ばれました。
こちら、東京ですから、
私も出席する予定ですよ!
https://www.facebook.com/events/1197515523640933/

すでに何度か紹介している
『啓発録』。
執筆時、16歳に過ぎなかった橋本左内が、
武士としてのあり方を、
自身の決意としてつづった書です。

その大きな志と、
一点の曇りのない情熱は、
吉田松陰や西郷隆盛など、
彼より年上だった幕末の志士たちに
大きな影響を与えました。

それだけでも現代人には
確実に知っておいて欲しい本……なのですが、
じつは「ハウツー書」として
私たちが活用できる本でもあります。

たとえば「人間関係論」です。
左内は仲の良い人間とばかりつるむのでなく、
自分と意見が合わない人間や、
苦手とする人間を大切にしなさい
……と言っています。

なぜならそういう人間のほうが、
「自分に欠けているものを補ってくれる存在」
になりえるから。
実際、多くの人が、
“そりの合わない人”と組むことで
大きな仕事を実現していることも
確かなんですね。

そんな左内に、
現代人が何より学びたいのが、
「勉強論」です。
一体どういう勉強をすれば、
若くして幕末の奇才たちを動かすまでに
なれるのか?

意外なようですが、
体が弱く、剣の腕前はからっきし
……だったように見える左内。

でも、
「机上の学問」というのを
否定しているんです。

「詩文や読書というのは、
学問においては『道具』に当たるもの。
あるいは刀の鞘や、
二階に上る梯子のようなものだ」

つまり勉強したことは、それを使用してこそ
意味のあるものになる。
知行合一で、行動してこそ
「学び」はあるのだと、考えていたんですね。

そんなことを堂々と言ってのける16歳。
25歳までの短い生涯に凝縮された
彼の考え方。
短い本ですので、
ぜひ一度、味わってくださいませ!



[夏川賀央の「古典学のススメ」]
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