上野の不忍池は「池」なのか?

ユリカモメと一緒に眺める
この水面。
こちら上野公園にある
「不忍池(しのばずのいけ)」ですね。

有名な観光地。
右のほうにちょっと見えているのが、
「弁天島」です。
桜のシーズンが終わり、
夏に向けては
ハスの季節になっていきます。

この「不忍池」。
弁天様も祀られ、
寛永寺につながっていますから、
てっきりお寺と一緒に
つくられたものと思っていました。

でも、そうではないんですね。
Wikiを見ると、
もともとは入江だったのが、
海と切り離されてできた
「天然の池」とあります。
つまり、
自然に生まれたもの……なんですね。

でも、そうすると疑問が1つ!
「池」って、
人工のものを言うんじゃないの?

池、沼、湖……。
仕事がらついつい定義を気にしてしまいますが、
実際はあいまいに使われています。

でも原則、「池」は人がつくったもの。
残りの2つは、
じつは「深さ」で決まるそうです。

水深5メートル以下=沼
5メートル以上=湖

すると「底なし沼」という言葉も
本当はおかしくて、
「底なし湖」が正しいんですね。
池もあまりに大きいと
相模湖などのように
「人工湖」と呼ばれますが、
正式には「貯水池」なんですね。

とすると水深1メートル以下の
「不忍池」は、
「沼」ということになるのか?
じつは大辞林などを見ると
「潟湖」という言い方をしています。

ただ、実際のところ
「不忍池」の天然の水はすでにほぼ失われ、
現在は上野駅からの水道水で
補充しているんだそうです。
そうすると
ほぼ人工の「池」には
近くなっているようです。

とはいえ
遠くにも見えるアシの林は、
湿地帯だった
東京の原風景をそのままに残しているんです。
だからこうして
東京都の鳥のユリカモメもやってくる。
(といって来たのは最近みたいですが)

なので不忍池は、
やはり原始時代の東京の姿を
そのままに残してはいるみたいです。
この周辺で見れるものは、
非常にバラエティにとんでいますね。



[公私混同の時間]

6月に夏川訳の『君主論』が出版されます!

本日は告知、すでにメルマガでは
発表させていただきました!
(無料のメルマガは→こちら

6月に夏川の新しい翻訳書が
発行される予定です。
ウェッジさんから
スマイルズの「自助論」』に続く本。

16世紀イタリアのフィレンツェで発行され、
現代まで非常に多く読まれ、
また数々のリーダーを輩出した本
……としても知られています。

ニッコロ・マキャベリさんの
『君主論』ですね。

読んだ!……という人は
多くないと思いますが、
その「悪名」は皆さんご存じでしょう。

「マキャベリズム」という言葉を
生み出した書。
「目的を達成するためには、
どんな卑劣な手段も選ばねばならない」
という意図で使われます。
そう、かなりエグい本なんです。
ちょっと引用すると、こんな感じです。

「理想的な君主の姿はここでいったん置いておき、
現実的なことを議論しましょう。
絵に描いたような共和国も君主国も、
実際には決して聞くことがないし、
見た人もいません。
人間が生きる場は、
つねに『そう生きるべき場』とは
かけ離れているのです」

「なすべきことを怠っている者は、
生き抜く以前に、すぐ破滅してしまいます
よい行ないばかりを望む人間は、
すぐに悪意をもって破壊を企む人間に
遭遇することになるのです」

「ですから自分とその国を守るために、
どのように『悪』を実行できるかを知りましょう。
そして必要に応じて、それを使ったり、
使わなかったりすることを学びましょう」

じつは16世紀のイタリアは、
ルネッサンスの華やかさとは裏腹に、
日本の戦国時代にも似た、
小国が群雄割拠する熾烈な時代でした。

教皇のローマ、ヴェネチア、フィレンツェ、
ミラノ、ナポリに加えたくさんの小国で
戦争や策略が繰り返され、
それにフランス、スペイン、ドイツ(神聖ローマ)、
オスマン・トルコ帝国といった
大国が介入します。

じつはそんな時代に、
マキャベリはフィレンツェの一役人として
外交に当たりました。
その中で見てきた
「このままでは我々は生き残れない」
という現実が、
この“とんでもない書”を生み出したんですね。

ですから本書にあるのは、
決して「暴君の心得」ではありません。
生き抜くために
私たちが認識しておかなければならない
「最終手段としての知恵」
……だと思います。
だから画像のようにマキャベリさん、
けっこう優しい顔をしてますよ。

といってさすが16世紀イタリア、
本来はかなり難解な本……なのですが、
今回も夏川、
かなり頑張っています(笑)

なので、ぜひぜひ発売を楽しみにしてください!
本書の情報は、
ときおりブログで告知させていただきますね!!



[お仕事のページ]

「本の素晴らしさ」を伝え続けた大先輩の意志

私の現代語訳の著書、
幸田露伴『努力論』のオビを
掲載させていただきました。

素晴らしい推薦文をいただいた大先生、
渡部昇一さんが
18日にお亡くなりになってしまいました。
86歳、
本当にお悔やみ申し上げます。

上智大学名誉教授にして英文学者。
近年では政治思想のイメージが強いのですが、
じつは
『知的生産の方法』
をはじめ
数多くの自己啓発書を著しています。
私もたくさんの本を
読ませていただきました。

何より渡部先生は、
ものすごい多読家で知られていた方です。
文学作品に限らず、
古典から現代書までたくさんの英書を読み
それを日本に紹介しています。

じつは心理学者
ジョセフ・マーフィーの本も
渡部先生が日本に紹介しているんですね。
英文学の教授でもあったことから、
若き日にペンネームで翻訳をしています。
それくらい意欲的な方だったんです。

それだけの長い活躍をしてきた先生ですが、
じつは私は最後まで
お会いする機会がありませんでした。
少し残念ではあります。

ただ最後の最後で、
この幸田露伴の『努力論』に、
推薦文をいただけたことは
本当に名誉でした。

じつは渡部先生は、
三笠書房さんから自身でも
『努力論』の現代語版
出していらっしゃいます。
だから他版元である致知出版社さんで、
こうして推薦をいただけたのは
結構すごいことなんですね。
本当にありがたいことです。

渡部先生は、
日本人がたくさんの素晴らしい本に
触れることで、
この国がますます成長することを
ずっと望んでいたのだと思います。
読書離れが進む日本に
危機感も感じていたでしょう。

出版に携わる私たちは、
やはり先生の意志を
継いでいかねばいけませんね。



[夏川が出会った「できる人」たち]

復活祭の卵と聖女の話

4月16日といえば、
西洋では「イースター」、
つまり「復活祭」でした。

日本ではあまり馴染みがありませんが、
キリストが処刑されてから、
3日目に復活した日
……ですね。
命日はスルーして、
復活されたとされる日を祝うのは、
キリスト教ならではかもしれません。

といって、
「春分の日の次の満月から数えて
最初の日曜日」と
決められているため、
毎年のように日にちが異なります。
しかもキリスト教の宗派によっても
異なっている……。
この辺のややこしさが、
クリスマスやハロウィンと違って
日本にはあまり定着しない
理由でしょうかね。

ともあれ、
イースターといえば、卵!
彩色したゆで卵や、
それに見立てたお菓子を食べますが、
その起源になった女性というのを
ご存じでしょうか?

画像の絵では赤い卵をもっています。
こちら
「マグダラのマリア」と
呼ばれる方ですね。

聖女の1人であり、
キリスト当人に付き添った
初期キリスト教の重要人物です。
元娼婦ともいわれ、
また「キリストの妻だった」とする
説もあります。

何でもキリストが処刑後に復活したとき、
ときのローマ皇帝は
「そんなのウソに決まっている。
赤い卵と同じくらい、ありえないことだ」
と言ったとされます。

そこでこのマリアさんは、
わざわざ赤く塗った卵をもって
「これと同じことが起こったんですよ」と、
皇帝のところへ報告に行ったとか。
(その場で白い卵を赤く変えたとも言われ間ます)
なかなか格好いいことをしますね。

それ以来、復活祭の日には、
彩色したゆで卵を食べるようになった
……と言います。
まあ、いろんな説がありますが……。

実際、キリスト教では本当は、
処刑された日から復活祭まで
「断食」をするのが習わしだったそうです。
喪に服すようなものですかね。

そこで復活祭ではじめて食べられるのが、
ゆで卵。
胃に優しく、すぐ栄養を補強できる面も
あったのでしょう。

いずれにしろ、
キリストの妻だったかもしれない
この聖女の、勇気ある行動。
知っておくと面白いエピソードです!



[仕事ができる人の歴史入門]
夏川の「アジア史」入門はこちら

誰でもできる「コミュニティづくりの教科書」

夏川が読んだ本の紹介、ですが、
本日は4月30日に開催する
第50回・賢者の会」のゲスト講師、
中村薫さんの本。

人見知りで出不精のOLが
コミュニティの女王になった理由

(大和書房)
ですね。

「コミュニティづくり」についての
入門書。
なかなかいままで
なかった本かもしれませんね。

そういわれても、
「自分には関係ない」と
思うかもしれません。
でも、本書のソデを見ると。
「こんなあなたは
コミュニティを主催すべき!」と、
次のように書いてあります。

・自分が何が向いているのか
わからない人
・このままの会社で働けるか不安な人
・いろんなことに挑戦してみたい人
・もっと商品を売りたい人
・新しいアイデアがほしい人

多くの人が、
たぶん当てはまるんじゃないかな
……と思います。

いまの世の中で、
仕事を発展しようと思ったとき
最も大切なものって
「機会」だと思います。

どうしてかといえば、
この「仕事を発展」というのが、
本当のところ誰にも予想できないんです。
なぜなら「仕事」って結局、
相手ありきで成立するもの。
AさんとBさんが出会い、
「こういうことができたらね」
なんて、
ざっくばらんなコミュニケーションと
双方のやる気が重ならないと、
うまく成立しません。

ところがこうした会話は、
「自分が相談される人」にならないと
なかなか起こらないんです。
会社ではもちろん、
セミナーや交流会でも、
お客さんの1人では、そんな会話にならない。
あらかじめアイデアを持参するしかありません。
これはむしろ難問なんです。

ところが、
自分が輪の中心になってしまえば、
こういう話の持ちかけられ……が、
頻繁に起こるようになります。

それは難しいように見えて、
決してそうではない。

実際、中村薫さんは、
いまでも「コミュニケーションが苦手」と
公言していますし。
別に自分が何かを教えるのでなく、
最初は好きなハンバーグを
食べる集まりを開催していっただけ。
みんなを楽しめるような、
特別の「おもてなし術」があったわけでも
ありません。

でも、真摯に1人ひとりと向き合うことで
いろんな情報が集まり、
いろんな方向に
ビジネスが発展していったんですね。
本書を読めばよくわかります。

この厳しいビジネス環境に、
個人の力は小さいからこそ
本当は「皆の力を借りること」が
一番大切になる。
本書は「どんなふうに踏み出せばいいか」の
参考になると思いますよ!

あと30日の「賢者の会」も
興味ある方はぜひ、
中村さんのお話を聞いてみてくださいね!



[常識転換の読書術]