築地本願寺の秘密

写真の何とも言えない
不思議な雰囲気の巨大な建物。
怪しい宗教ではない。
れっきとした伝統的な仏教のお寺。

お馴染みな人にはお馴染みでしょう。
「築地本願寺」ですね。
先日、近くに来たついでに
新刊」のヒットと、
賢者の会」の盛況を祈願をしてきました。
ちょうど大規模な改修工事中なんですね。

京都にある西本願寺の東京分院。
でありながら、
ヒンズー教やイスラム教の影響を
受けたかのような
オリエンタルなたたずまい。
中にはステンドグラスがあったり、
パイプオルガンが置かれていたりもします。

この建物になったのは、
じつは関東大震災で、
建物が再建されてからなんですね。
でも、このデザインはゆるされるのか?

もちろんOK、というのも、
そもそも「本願寺」自体が
掟破りで生まれたような
アウトロー仏教です。

発端はご存じ、親鸞さんですね。
鎌倉時代のお坊さんでしたが、
貧困に苦しむ民衆のため
「ただ南無阿弥陀仏を唱えなさい」
「どんな悪人だって救われるんだよ」
……と、お寺も持たず
癒しを与える仏教の布教に努めました。

その教えは、
有名な『歎異鈔』などに紹介されます。

主流派からはほとんど
「異端」のレッテルを貼られるのですが、
やがて教えは「浄土真宗」となり、
民衆を巻き込んだ
強大な勢力となりました。

戦国時代などは
お坊さんと民衆で武力を持ち、
北陸地方を基盤として、
かの織田信長とも張り合っていましたね。

つまり本願寺というのは、
そんなお寺。
民衆の味方で、
基本的には誰に逆らってでも
困った人は助けてくれる……のが、
その発端だったわけです。

だとしたら、伝統の形に従わないのが
むしろその原型。
だからこのデザインなのかはわかりませんが、
格式高いばかりが
日本の伝統でない……ということも、
私たちは心得ておきたいですね!



[仕事ができる人の歴史入門]
夏川の「日本史」入門はこちら

「正しく評価される人」が何気なくやっている小さな習慣

28日に開催する
「第51回・賢者の会」の講師、
https://www.facebook.com/events/1348258295243689/
國武大紀さんの新刊
評価の基準』を送ってもらいました!

発売はもう少し先になりますが、
「賢者の会」のほうの宣伝も兼ね
今日は内容を少し
紹介させていただきましょう。

タイトルの通る、本書は
「評価されるために必要なこと」を
述べた本ですが、
大まかな構成は、次のようになっています。

1「あいつに任せよう」を
 引き出すための小さな習慣
2「この人について行きたい」と
 人をひきつけるための小さな習慣
3「あの人やるね! 」と
 周りの見る目が変わるための小さな習慣
4「自分にYes! 」を出すための小さな習慣

つまり、「対上司」「対部下」
「対関わるの人全般」「対自分自身」と、
広範囲にわたって
「ふだんの習慣から評価されるようになる秘訣」
を述べているわけです。

そこで改めて、
「人に評価されること」を
皆さんはどれくらい意識しているでしょうか?

たとえば私のような文章を書く仕事。
次に仕事が来るかどうかは、
出版社さんなどのクライアントさんから
「どれだけ評価されたか?」に
かかってきます。

だから仕事にとって「評価」は死活問題ですが、
これは非常に難しいんです。
というのも「本が売れればいい」とか、
「原稿が早かったからいい」という
「結果=評価」になるわけではない。

「相手がどれだけ一緒に仕事をして、
いい気分になったか」とか、
「どれだけ感心したか」という
非常に感覚的な要素で決まることが
多いわけです。
だから「技術」より「習慣」を
國武さんも強調しているんですね。

本書にはこうあります。
「評価されるかどうかは、
売上から普段の態度、
また心証や、 “依怙贔屓”まで合わせ、
無数の選択肢が存在しているわけです」

「したがって、『評価されること』によって、
任せる仕事の大きさが変わり、
キャリアの行方が変わり、
日々の糧の量まで変わってくる私たちは、
状況に応じた適応力や判断力を磨き、
戦略的に『評価される』ような
行動をとっていかなくてはなりません」

しかし「評価される行動」を
習慣にまで落とし込むことができれば、
偶然性にも左右される「結果」に関わらず、
私たちは「評価」をいただき、
次の仕事につなげていくことができます。

本書はそのためのポイントを
解説しているわけです。
28日の「賢者の会」でも、
「さわりのこと」が学べると思いますが、
どんな分野で働く人にも
絶対に知っておかねばならないことですよね。

28日は版元、
日本能率協会マネジメンセンターの
編集者さんにもいらしていただけるそうです。
楽しみにしてください!



[賢者の会・賢者のビジネス研究所]

Live And Let Die

ヒーローも歳をとるし、
この世を去ってしまう日は来るんだな
……と、あらためて感じた
悲しい訃報。

3代目の007、ジェームズ・ボンド。
ロジャー・ムーアさんが、
23日にがんでお亡くなりになりました。

もう89歳だったんですね。
お悔やみ申し上げます。

いまでもずっとシリーズ作を追い続けている
映画007のシリーズ。
私が最初に観たのは、
ロジャー・ムーアのボンドでした。

『私を愛したスパイ』という映画。
ちょうどスーパーカーブームだった
小学生のころ。
ロータス・エスプリが、
潜水艇に変身するのは覚えています。

73年の
『死ぬのは奴らだ(Live And Let Die)』から
85年の『美しき獲物たち』まで、
いまのところ歴代で一番長く、
7作品でボンドを演じたムーアさん。

確かにコネリーさんのボンドや、
いまのダニエル・クレイグさんと
比べれば、
おちゃらけてしまっているイメージは
あります。

でも、ピンチのときでも
ジョークばかり言っている
私が理想とするジェームズ・ボンド感は、
じつはこの方から受け取った部分が
大きいのではないか……。

ボンドを演じるようになり、
ポール・マッカートニーの
大ヒットテーマ曲で歌われた
「Live And Let Die」。
そもそもこれも、
「Live And Let Live」
(生きて、皆を生きさせよ)
という慣用句のパロディーです。

人を殺しまくったボンドを演じたあと、
ムーアさんは、
かのオードリー・ヘップバーンさんの
直々の指名で、
ユニセフ親善大使の役を引き継ぎ、
慈善活動で活躍しました。
その功績によって、
「サー」という貴族の称号も
授与されています。

スパイから慈善家へ、
ボンド役を降りるときの言葉が
「これ以上やったら、僕のほうが殺されるから」
でしたから、
本当に茶化すようなことを言いながら、
真面目に人の役に立つことを
実践していたんですね。

英国紳士らしい。
それに「ボンドっぽい」ですよね。
ぜひ知らない方は、
過去の007作品も見てみてください!



[奮い立たせてくれる言葉]
※過去の名言集、電子出版になっています!

あまりにも深い「日本的・美」の世界

本日は上野の
東京国立博物館で開催されている
特別展「茶の湯」』を
観に行きました。

いろいろと話題になっています。
平日なのに超混雑でしたねえ。

ずらりと並んだ、
国宝級、重要文化財級の
「茶器」の数々。
といって、
私もその価値がわかるわけではありませんが、
岡倉天心さんが英語で書いた
明治期の世界的ベストセラー。
茶の本』を翻訳させていただいた
経緯があります。

少しでもその世界を深く知りたい
……と思いました。

ポストカードにあげた上は、
中国製の国宝「油滴天目」。
秀吉から甥の秀次に受け継がれた
名品です。

さらに下は、ご存じ
千利休さんの愛用の品。
「国楽茶碗」ですが、
上が四角形で下が円なのが
独特の特徴ですね。

たかが茶碗、
しかし戦国時代には、
これが一国や一城に相当する
価値を持ちました。

その根拠はといって、
理解できるわけがない。
しいていえば、
その哲学にそれだけの崇敬の念を持てる
……ということが
重要だったのだと思います。

『茶の本』には、
茶人の小堀遠州と、千利休の
こんなエピソードがあります。

遠州は弟子に、所有する茶器について
こう言われました。
「どの品に関しても、
誰もが感嘆するようなものばかりです。
先生が、あの利休よりも
いい趣味を持っていることは疑いえません。
なんせ利休が所蔵しているものといえば、
千人に一人しか、
その価値がわからなかったということですから」

 すると遠州は、がっかりします。
「それは私が、いかに凡庸であるかを
示しているだけなんだよ。
偉大な利休は、心にうったえたものだけを、
あえて愛するようにした。
それに比べて私はといえば、
大衆の好みに迎合しているではないか」

確かに「利休の茶器」というのは、
豪華な品々に混じって、
独特な世界を創造しています。
比べるとはじめてわかりますね。

もう「感じる」ことでしか味わえない
芸術の世界……ですが、
6月4日までの開催です。
興味ある方は、
ぜひのぞいてみるといいのでは
ないでしょうか?

そして哲学を理解したい方は、
ぜひ名著『茶の本』を
読んでみてくださいね!



[夏川賀央の「古典学のススメ」]

「わさび」の仕事術

写真は友人から、
安曇野のお土産でいただきました。
生の「わさび」ですね。

摺って豆腐に乗せて食べ、
また摺って豆腐に乗せて食べ、
さらに摺って豆腐に乗せて食べ……。
それで終わってしまいました。
もっと工夫はできなかったんだろうか(苦笑)
でも、美味しいですよね。

この「わさび」というのは、
日本で独自に発展してきた
オリジナルの香辛料だそうです。
原産地も日本。
他国の影響を受けていません。

確かに西洋には
「セイヨウワサビ」と
言われるものがありますが、
あれは別種のもの。

日本のものは、
森と水の地形が生んだ、
日本独特なもののようです。

じつは歴史も古く、
すでに飛鳥時代のころの遺跡から、
わさびの封に使った
ラベルのようなものが出土しているとか。
じつは古代のころ、
わさびは「薬」として
使用されていたそうです。

自然のものをそのまま使った
……とすれば、
その歴史は狩猟採集の時代にまで
さかのぼるかもしれませんね。

調味料として広まったのは、
江戸時代。
「寿司」が庶民の食べ物になってから
です。

さらにこの「寿司」が、
やがて世界に広まり、
それとともに「わさび」も世界へ
広がっていく。
いまではフランス料理などにも、
調味料として使われるようになりました。

こんなふうに
「日本から世界に広まった食べ物」も、
ちゃんと存在するわけです。

「武士道」や「おもてなし」ばかりでなく、
日本人は「わさび」も
ちゃんと誇りにしなければなりませんね。

もっとも多くの食材に使われる
練りワサビや粉わさびには、
あまり日本製が使われていません。
機会があれば、
こんなふうに摺り下ろすものを
食してみてくださいね。



[公私混同の時間]